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まとめて書く用

オマエはオレか

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状況は全く違うが、これは誰もが願うんじゃないのか。特にオッサン臭が強くなれば強くなるほど、承認要求や無償の愛に飢えるような気がする。要は母恋しの延長で、それを刷り込まれた母性への渇望とか簡単に言うとマザコンだとかに言い換えても成り立つ。友人がいようが恋人や配偶者がいようが、社会的に成功していようが、そういうのはあまり関係なくて、ただ心の奥底でじゅくじゅくと痛み続けるありのままの自分を包んで欲しい極めてプリミティブな感情の源泉が、重ねてきた経験が理性的にそれは甘えだと判断していても、それはそこにあり続ける現実。そういえば誰かが上手い事を言っていたな。それは両親が運転する車の後部座席のそれだと。ただ後部座席で安心して眠りにつける時間はあまりに短く、自分がハンドルを握る時間の方が遥かに長い。もちろんその後部座席の経験が無い人に比べれば、それはとても幸せなことなのだけど。

嫌な時間に目が覚めてしまった。銀座で寿司を食いながら酔っ払い、一眠りしたらこの時間。しょうがないのでまたビールを飲んでいる。今日も昼から有名大学の教授に会わねばならず、頭はクリアに保ち、あと5時間後には家を出る。しかしなにをするでもなく、酒を煽り己の身体を痛めつける。これも自傷の一種か。あまり笑えないジョークだ。

もう随分前にありのままの自分を受け入れたはずなのに、自分がなにをしてどこにへ向かいどういう葛藤を超えていくのか、そんな下らないことに頭を悩ませている。理想の自分なんてもうとっくに殺したはずなのに。それでもなお、消えてしまいたいと心のどこかで強く願っている。

そしてオレが憧れた年下のあの人はもうそれを成し遂げた。彼の心の闇は深すぎた。まさに魔に魅入られていたとしか言いようが無い。あの事故は彼が自身で呼んだのだ。たぶんオレにしかその感覚は分からないだろうけれど。

歳を取って、それはもう霧散したと思ったのだが、こうして定期的にハローと顔を覗かせ、部屋の暗がりの一番深いところから、にゅっと出た白い手がおいでおいでと手を振っているのが見える。

オレはその手を前にして、相変わらず今に至るまで、どうしたものかと、苦悩している。