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まとめて書く用

35歳なりの憂鬱

人格的には中学生時点でほぼ完成されており、それが延々と今まで続いている。同年代のアホ共の共通した認識である。

世間的に見ればそれはもういいオッサンであり、色々なものが両肩に乗り始めて幾星霜、すっかり身動きが取れなくなっている歳で、あ~もうオレこのままずっとこんなことをやり続けて死んじゃうんだろうなあ~と自分の限界が極めてクリアに知覚できる…、というかそう期待されている。自分達より上の更に深刻なオッサン達を眺め、これは重症だなと呟く傍ら、望む望まざるに関係無く粛々とそこへ進軍をせざるをえない得体の知れない義務感と日に日に襲いかかる抜け毛や反抗的な枕の匂いが、また憂鬱を加速させる。そんな心にダメージを負った状態で、仕事を切り回しているとどうしてもキレが悪く、あ、この流れヤバいと思うころには時遅く、ゴジラ対メカゴジラの死闘に一般人のオレが巻き込まれて、ゲームオーバーの文字が眼前に投影される。

ここ一年ほどそれをひたすら繰り返している。ダークソウルか?死んで覚えろってか?

結果、酒量が増える。

逃避できるのはそれしかないからな。少なくともオレにとっては。

そのように理由付けして台北の飲み屋でガブガブと不味いウィスキーを飲んでいると、

「あんた、気をつけなさいヨ」

と馴染みの飲み屋のオネーサンから注意された。

なにが?と答えると、こんな話を聞いたと。いまのあんたに寄ってくる女はみんなカネ目当て。あんたの給料の額をみんな噂している。ま、アタシャー興味ないけどネ。

オレ自身、自分の給料の額を知ったのは最近なんだけどなあ。帳簿にアクセスできるようになったのはここ1年だし。どこからそんな話が出たのかさっぱり。

と、思いつつもさもありなんとも思う。オレももういい歳でルックスだけでは、そりゃあ若い連中には負ける。にも関わらず、小便くさいのがなんでこんなに寄ってくんだろ…と不思議に思ってはいた。

ナルホド!ソレダ!ピキーン!

と聞いた瞬間、閃いたものの当然なにが変わるわけでもなく。昔からそういう手合いは日本にもいたヨ。別に女に貢ぐ分けでも無し。自分の酒を自分で買って飲むだけだ。そもそもオレはやや特殊な酒癖で、若くて綺麗でツマラナイお姉さんよりも、歳とったオバさんだろうが男だろうが一緒に飲んでて楽しければそれで良い。

というわけで近頃はボーイズバーでよく飲んでいる。安いし。ただこの間、泥酔してドアを破壊したので、ちょっと行きにくいだけだ!

ただそういう重い物や軽い物煩わしい物を背中に背負い、人生が重くなるほど、酒の味が深くなる。そんな気がする。

あ、みなさんおけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。