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まとめて書く用

台湾のバイク屋

バイク屋と言えば、所狭しと並べられたバイクを眺めながら、バイク話であーでもねーこーでもねーとお茶を飲むところであり、オレの他に客なんぞいやしない場所である。すくなくとも日本ではそのはずであった。

本日は台湾人の友達に携帯を買うの手伝ってもらうため、2人乗りの原付でふらふらと目的地へ向かっていたところ、オイル交換のランプがピカピカと点灯。特に急ぎでもないため、近場のバイク屋にピットイン。

まず最初に1つ補足。日本だと場合によっては電話帳で探さないとバイク屋なんてまず見つからないが、台湾だと5分も流せばすぐに見つかる。驚きの市場規模である。

オイルを抜きながら、ついでにここもここも注文をつける友人。フィルター、パワーベルト、おまけに前輪と全て交換。椅子が備え付けてあって、そこでオレ達はお茶を飲みながら、作業を眺めることができる。

大体30分くらいだろうか。その間来た客10人超。空気入れに来たチャリが2台とバスケットボールを持った近所の子供2人。

信じられない。バイク屋大繁盛。ラオバンもうはうはである。オレも失業した暁には、台湾でバイク屋だな。

そんな妄想をするオレの目の前で、手がオイルで汚れた店員達がタバコをくわえながら作業している。そのフリーダムさと、次々から客が来る活気。空気入れてよ!と子供が持ってくるバスケットボールに無言で空気を入れる仕草。全て完璧に調和していて、あーたぶん昔の日本もこうだったんだろうなーと心に染み渡り、決して豊かではないのだろうけど、なんというか高い幸福度を感じた。

そしてそれは今の日本が失くしたもの、そのものような気がする。少なくとも満員電車の中には、オレは見付けられなかった。