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まとめて書く用

酒癖

酒量が増えるに従い、抱え込んでいたストレスが目を覚まし、まるで多重人格者のそれのように、人格がすり替わる。朝が来れば割れるように痛い頭と、たばこの吸い過ぎで痺れた舌、どうやっても動かない身体を引きずりながら会社へ行く。顔がむくんでいるのがはっきりと分かる。やっとの思いで自分のデスクに着いた瞬間、昨夜の後悔が始まる。

俗に言う、飲まなきゃいいのに飲んじゃったである。

おっかしいなー。昔はそこまで酷くなかったんだけどなー(いや酷かったのかも知れないが)。

というか、学生なんてみんな立ち位置が一緒なんで、喧嘩のしようが無いんだよね。みんな同じような不満を抱えてるし、同じような未来が待っているように思えるから。突っかかる理由なんて、単に気に入らないという感情論くらいで、そんなもんは社会に出てそろそろ10年になろうかという現在の信念に比べればゴミみたいなものだ。

で、その10年が問題だ。もうどうやっても引き返せない。多くの選択肢の中ベストと思えるものをその都度選び、研鑽を重ね、努力を継続した結果、出来上がったものなので、非常に強固でスキルと自信の基なのだが、その分柔軟性が全く無い。よって生きて上では必須のものなのだが、性質が悪い。

酔えば誰だって理性が緩み始める。そうすると、出始めるのはコイツである。そりゃ喧嘩になるわい。お互い人生を賭けて作り上げたものだからな。否定されれば、真面目に生きていれば生きているほど、頭に血が昇る。

しかもきっと人は理解し合えるはずという幻想が、さらに被害に拍車をかける。

結論。相互理解なんて不可能。散々痛い思いをして、やっと体得した結論である。しかしその結論は実に物悲しい。その物悲しさから、いや希望は捨ててはいけないという無駄ポジティブが生まれ、ひょっとしたら…という思いが吹き出し、また痛い思いをする。その痛さを忘れるために酒を飲み、しばらく引きこもり、また孤独が深まっていく。その繰り返し。

うむ。順調に偏屈な頑固オヤジが生成されているようでなによりである。